本記事は「Spotify Music Converter」について解説します。
無料プランでもフル尺再生ができるサービスの先駆け的存在「Spotify」ですが、そのSpotifyの音源をPC上で変換できるソフトが出回っているようです。その名は「Spotify Music Converter」や「Spotify Converter」として検索に表示されます。
今回はその「Spotify Music Converter」について、違法かどうか、どのような方法で変換を行っているのか?それを販売している会社は?などについて詳しく解説します。
注意
この記事では、法律に関する記述がありますが、法律の専門家による確定的な法解釈ではありませんので、詳細な見解が気になる方は、直接弁護士等へのご相談を推奨します。
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もくじ
『Spotify Music Converter』とは?
Spotify Music Converter(スポティファイミュージックコンバーター)とは一体どのようなソフトなのでしょうか。
Spotifyの音源をダウンロードして変換できるソフト、らしい
「Spotify Music Converter」とは、PC環境で利用できるSpotifyの音楽ファイルをダウンロードできるというソフト。
▼同名のソフトがいくつか存在し、 Googleで検索してみるとこのように複数ヒットします。
これらのページに記載されている内容は、一様にSpotifyから音楽もしくはプレイリストをダウンロードして、自分のPC環境にその音楽ファイルを保存できるというものです。
しかも音質は変わらないばかりか、音楽ごとに必要な情報となるアーティスト名やアルバム名・トラック番号などもそのまま保持することができると記載されています。
『Spotify Music Converter』はどのように変換している?
従来的な音楽変換の方法としては
- 音楽ファイルのデータをダウンロードしパソコン上で変換をするもの
- パソコン内部で仮想的に音を鳴らしそれを録音するもの
の2通りの方法が挙げられます。
リサーチした限りではこれらのソフトウェアは、ダウンロードしてきた音楽ファイルをパソコン上でそのまま変換し、別ファイルとして保存する、という形式と推測されます。
Spotifyのフリープランでもダウンロード・変換が可能?
またこれらのソフトウェアの特徴となっているのが、
▼無料で利用できる Spotifyのフリープランでもダウンロード保存が可能という点です。
Spotifyのフリープランは、フルの音楽再生は可能ですが、強制的なシャッフル再生となり、 任意の曲を聴くことはできない無料ならではの制限があるプランでもちろん、ダウンロード保存することはできません。
そのフリープランでもダウンロード保存を可能にする、ということで既にこのソフトについて、著作権的な暗雲が立ち込めて来ているのがわかります。
変換後のファイルをCDに焼くこともできる、との記載
ダウンロード後、変換したそれらの音源ファイルは、
▼CDに焼く機能まで実装されているとのこと。
ここまでの紹介で容易に想像がつく点が「無料プランでダウンロード保存を行えば、無料で音楽ファイルが取り放題になるのではないか?」という点です。
このソフトの適法性、利用ユーザーの違法性については、以下より解説します。
『Spotify Music Converter』を使用することは違法?
上記でも触れたとおり、この手のソフトの音源ファイル生成方法としては、
- 元の音源ファイルを変換する。
- PC内で仮想的に音を鳴らして録音する。
という方法が考えられます。
これら2通りの方法の場合、どのような法律に引っかかってくる可能性があるのか、ご紹介します。
元の音源ファイルを変換するソフトの場合
こちらは完全に法律的にアウト、となるでしょう。
▼著作権法の30条では以下のようにあります。
ここで重要なのが、
次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。
二 技術的保護手段の回避(中略)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合 参照
という点です。少しわかりにくいですが、「二」の内容は「やってはいけないこと」で、「技術的保護手段の回避」が「DRMの解除」に該当するでしょう。
Spotifyからのダウンロード保存時、通常は端末内部から音楽ファイルを見つけ出すことができません。または、見つけられたとしてもほぼ100%の確率でDRMでの保護が行われているはずです。
このDRMの保護を解除することが上記の「技術的保護手段の回避」にあたりますので、Spotify Music Converterを使って、DRMの解除を行っていたとすると、著作権法違反になるでしょう。
PC内で仮想的に「録音」をする場合
では、「録音」という表現でダウンロード保存を行う場合、「違法」になるのかどうか、です。
この点は「グレー」と解釈される可能性があります。
▼その理由としては、このように「個人的・もしくは家庭内で楽しむため」であれば、その複製が認められており、
個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。 参照
PCの内部で仮想的に録音をするパターンも、実際に音楽を鳴らしてレコーダーで録音するパターンもどちらも「私的使用のための複製」に該当する可能性があるためです。
ただし、同じ条項をよく読むと、
デジタル方式の録音又は録画の機能を有する機器(中略)で(中略)録音又は録画を行う者は、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない。 参照
法律上は「デジタル方式の録音は補償金を支払う必要がある」と記載されています。
この「複製の補償金問題」は以前から著作権団体・音楽機器メーカーの間で議論が行われながら、機能していない条項となっているようです。
ただし、Spotifyの利用規約では…
法律では、その変換方法によりいくつかの解釈に分けることができそうですが、
▼ Spotify の利用契約に当たる「利用条件」の中の「ユーザーガイドライン」 では、このように
いかなる方法でも複製を行うことは固く禁じられていますので、法律の解釈等の前に、利用規約によってSpotifyから訴えられる可能性があります。
複製したものを他者に提供することは「さらに違法」
Spotify Music Converterを利用して取得したファイルなどを複製することは違法・利用規約違反になることは挙げさせていただきましたが、そこで取得した音源ファイルを他者に提供することは、私的使用の範囲外になりますので、さらに厳罰となる可能性もあります。
また、そのような形で取得した音源をネット上にアップロードすることは違法アップロードとなり、【10年以下の懲役または1000万円以下の罰金、もしくは両方】を科せられることになります。
『Spotify Music Conveter』を販売しているのは「怪しい会社」…?
では、これらの「Spotify Music Converter」を提供しているのはどこの会社なのか?
▼これらの商品を購入する直前までアクセスしてみたものの記載されている会社名(っぽいもの)を発見してもそれらしき会社のホームページなどを発見することは出来ませんでした。
また、上記ページの会社情報をタップしてみても
▼このように会社の沿革らしきものは発見できても、会社名としての正式名称・住所・連絡先などを発見することはできませんでした。
ウェブサイトのドメイン所有者を確認してみると?
ホームページなどを確認することができませんでしたので、公開されているウェブサイトのドメイン所有者を確認したところ、発見した同様のソフトウェア提供会社3社のうち、
- 2社のドメイン所有者が同一
- もう1社のドメイン所有者も上記2社と連絡先が同じ
▼という結果になりました。
また、そこから得られた情報としては、中国深センに本拠を置く中国企業であることが分かります。
購入は危険である可能性が高い?
これらのソフトを購入する直前に表示されるのが、
▼こちらの画面。
購入にはクレジットカードかPaypal決済を利用する必要があります。
この購入ページは、「paddle.com」というデジタル商品向けの販売プラットフォームが利用されており、このサービスの本拠はイギリスにあります。
▼ただし、気になる文言が、こちら
「お客様のデータは◯◯(ソフト販売会社)に共有されます」と記載されています。
ここで考えてみていただきたいのが、Spotifyから「音源をかすめ取るソフト」を販売している企業にクレジットカード情報を共有することが安全と言えるでしょうか…??
極論的にはすべて「自己責任」で片付けることができますが、家族や知人がこのソフトを利用しようとしていたら、私は止めるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は「Spotify Music Converter」について、現在の著作権法に照らして確認してみました。
たしかに、Spotifyのフリープランで聴ける楽曲を片っ端からダウンロード保存できたら、今後音楽にかける費用は少なくなりますが、この手のアプリ開発者に自分のクレカ情報を握られること、法的に完全アウトなリスクを冒してダウンロードし続ける勇気は、私には有りませんね。
無料でフル再生できる手段については、現時点かなりの方法が各社より提供されていますので、
▼こちらからできる無料でできる手段を探してみてはいかがでしたでしょうか。