この記事は「音楽サブスクの登録がもったいない」と思う方向けに音楽サブスクの料金的な落とし穴や意外なメリットなどを解説します。
スマホで音楽を利用するに当たり、今や音楽サブスクを利用することは当然の選択肢になりましたが、月額の高さや自動課金への不安などもあり、「音楽サブスクはもったいないのでは?」と感じる方がかなりいます。
そこで、実際に音楽サブスクはどのようなユーザーに適しているか・買い切り型の音楽購入との比較を含めて解説します。
もくじ
「音楽サブスクはもったいない!」となる原因
音楽サブスク登録がもったいないと感じてしまう理由はいくつか存在します。
その主たるの原因としては、
- 同じ曲ばかり聴く
- 新しい曲を聞かない
- YouTube で十分
- 既存の無料版で十分
- 動画保存管理アプリで十分
などが挙げられます。
以下に詳細を解説します。
同じ曲ばかり繰り返して聞いている
音楽サブスクに登録したとしても同じ曲を繰り返し聞くだけの利用では、月額費用のもとを取ることは出来ません。毎月1000円近くの費用を支払うことによって、 iTunes ではだいたい5曲ほどの買い切り購入を行うことができます。月々に聴く新しい楽曲の数がその「5曲以下」だった場合、 iTunesで個別の買い切り購入を行ったほうが得策、となります。
新しい曲・アーティストをそれほど聴かない
こちらも上記と同じような内容ですが、音楽を聴くとしていつもお気に入りのアーティストや楽曲・アルバムのみに限られる場合、あまり音楽サブスクを利用する意味がありません。80年代・90年代など過去の好きだったアーティストのみを聞く場合は、よく聞く音楽の曲数をカウントし、買い切り購入をしたほうがお得かどうかを確認してみましょう。
YouTubeの視聴で充分かもしれない
「好きな曲を聴く」ということであれば、YouTubeの動画を視聴することでも叶えられます。通勤・通学も動画を見る余裕があるのであれば、音楽サブスクに登録しなくてもYouTubeの動画を見ることで聴きたい音楽を聴くことができます。
Amazon Music Freeなど既存サービスの無料版で充分かもしれない
通勤・通学、もしくは何かしながら音楽を聴きたい、という場合にもし特定の・お気に入りの楽曲やアーティストでない場合、Amazon Music FreeやSpotifyのフリープランなど強制シャッフル再生でも問題ないでしょう。
その場合、月々1,000円近い音楽サブスクへの登録がもったいなく感じるはず。
動画保存・管理アプリでやりたいことができてしまう
ある意味「裏技」的な方法ですが、一部の動画保存・管理アプリを利用することで音楽アプリの代替として利用できてしまう方法があります。
▽詳しくは、こちらの「【無料音楽アプリ その2】トルミルなどのファイル管理系アプリ」を御覧ください。
音楽サブスク利用がマイナスになる人の例
新曲を聞かない・同じ曲ばかり聴く、というような人にとって、どのような使用例がマイナスになるのか。iTunesなどでの個別買い切りのほうが実はお得だった…、ということにならないように「音楽サブスクがマイナスになる人」の例を紹介します。
▽こちらをご覧いただくと、まさに「賃貸と持ち家」論争のように、毎月定額で払うほうがいいのか、手元に残すために個別に買い切りをしたほうがいいのか、明確になります。(「6ヶ月間」は例として出していますが、特に意味はありません。)
音楽サブスクに登録 | iTunesなどで買い切り購入 | |
月に980~1,080円 | 255円/曲を1ヶ月に4曲:1,020円 | |
⇓6ヶ月間が経過⇓ | ||
6ヶ月間数千万~1億曲の聴き放題を楽しめる 約6,000円の出費 |
24曲(永遠に聴くことができる)を所有 6,120円の出費 |
|
⇓サブスクを退会⇓ | ||
手元に残るものなし | 24曲(永遠に聴くことができる)を所有 |
やはり、ポイントになるのは、「音楽サブスクの場合、解約後に何も残らない」という点です。本当にお気に入りのアーティストがいて、末永く聴きたいと思っている場合は、個別購入が断然お得、という結果になります。また、買い切り購入のケースでは1曲買いの金額を想定していますが、アルバム単位で購入する場合は、更に購入できる曲数が上がります。
音楽サブスクを利用するメリット
では、音楽サブスクを利用する人にとってメリットとは何なのでしょうか…?個別の買い切りではできない点などを解説します。
幅広く音楽を聴き漁ることができる
Apple MusicやAmaozn Musicは今現在の配信曲数を「1億曲」と標榜しています。一度登録するとJ-POP・邦楽はもちろん洋楽やカバー曲、ゲーム音楽など様々な音楽を堪能することができます。
ここまで幅広い楽曲を買い切りで一度に聞こうとすると、曲数×数百円の金額がかかってしまい現実的ではありません。その点、月額の音楽サブスクを利用することによって幅広い楽曲をいつでも聴ける、という買い切りには存在しないメリットがあります。
新曲を出費気にせずすぐ聴くことができる
好きなアーティスト・バンド・ミュージシャンがいる場合、定期的にリリースされる新曲をいち早く聴くことができます。個別購入の場合は、リリース楽曲の数によっては出費が気になりますが、音楽サブスクの聴き放題であれば、気にせず新曲を楽しむことができ、こちらも個別購入ではできないメリットの一つといえます。
好きな曲・アーティストの関連曲を数珠つなぎで聴くことができる
Apple MusicやSpotifyなどでは、非常に優秀なレコメンドシステムが動いており、1つのアーティストからそのユーザーが好きであろうアーティストを自動でレコメンドしてくれます。そのレコメンドによって、今まで知らなかったけど聴いたらすぐさまプレイリストに入れるほど気に入ってしまう、ということがあります。
このように別々のアーティストをシームレスに聴くことができる、という点も音楽サブスクの大きなメリットの一つと言えるでしょう。
合法で安心・安全である
当たり前の話ですが、Apple MusicやAmazon Musicは合法です。
かつて流行していた「Music FM」や「MusicBox」などは、そのアプリ提供者の違法性もさることながら、アプリ利用者側も違法性に晒される、という危険なものでした。
その点、Apple Musicなどの公式な音楽サブスクは合法、且つ聴いた再生回数分だけ制作したアーティスト側に収益が還元されることもあり、ファンであるからこその視聴体験を実現することが出来ます。
ストリーミング再生でスマホのストレージ容量を圧迫しない
音楽サブスクを利用する際の大半の視聴方法が「ストリーミング再生」になります。
「ストリーミング再生」とは、音源ファイルをスマホ端末内に保存せずサーバーから音楽を聴くたびに音源ファイルを取り寄せて再生するというものです。このため音源ファイルが端末の中に残らず、ストレージ容量を圧迫しないというメリットがあります。
スマホ端末内が、写真や動画などを別のコンテンツで埋め尽くされている場合はストリーミング再生によることのメリット・恩恵が大きくなるでしょう。
音楽サブスクを利用するデメリット
音楽サブスクを利用する上でのデメリットとはどういうところがあるでしょうか。
毎月1,000円近くが自動で引き落とされる・高額である
金銭感覚は人によって異なりますが、毎月1000円近くが自動で引き落とされ、自分が明確な退会処理をしない限りは延々と請求が続きます。
毎月の金額が1,000円でも年間では12,000円となりますので、その金額が適切ととるか、高額と感じるかによってデメリットとなるかどうかが変わってくるでしょう。
退会したら手元に何も残らない
音楽サブスクの最も悩ましい点としては、月額の契約を解約した瞬間にそれまでダウンロードした楽曲や作成したプレイリストなどにアクセスできなくなることです。
プレイリストなどはサブスクに再登録することで復活することが可能ですが、解約後は何も残りません。
相対して個別買い切りの場合は、それまでコツコツと購入した楽曲が永遠に聴ける形で手元に残りますので、それらは自分の「資産」と呼べるものになるでしょう。
このように比較すると、一度サブスクを登録すると、なかなか辞めづらく延々と月額を払い続けなくてはならないという事態になります。
ストリーミング再生で通信量(料)が増大する
上記ではストリーミング再生におけるメリットを解説しましたが、ストリーミング再生ならではのデメリットも存在します。それはモバイルデータ通信を使ったストリーミング再生をしている場合、通信量が大幅に増大するという点です。
Wi-Fiに接続して利用している範囲ではモバイルデータ通信(キャリアが提供する月々の通信量(ギガ))を消費することはありませんが、音楽サブスクをメインで利用する機会となる通勤・通学はその通信がほぼモバイルデータ通信頼みになります。
例えば、LINEMOのミニプラン(月額990円で3GBまで)の場合、設定している音質などによっては、 1ヶ月に累計20時間も聴くことが出来ない、という状態になります。
この点についてはもちろん、事前のWi-Fi環境下で予めダウンロードしておき、外ではオフライン再生を行うことでモバイルデータ通信の消耗を防ぐことができますが、この場合、上述している通り、スマホ内のストレージを圧迫することになる点に注意が必要です。
サブスク未解禁のアーティスト曲は結局聴けない
ほとんどのアーティストがサブスクへの楽曲解禁を行なっていますが一部のアーティストではまだ解禁を行っていません。
▽下記は一例ですが、これらのアーティストはサブスクに登録しても楽曲を聴くことができません。
- CHAGE & ASKA
- 中島みゆき
- THE BLUE HEARTS/THE HIGH-LOWS/ザ・クロマニヨンズ
- Blankey Jet City
- マキシマム ザ ホルモン
また、楽曲の配信権はレーベルやアーティスト側が保持しているため、急な配信停止が起こったりします。その場合、月額に登録していたとしても突如として聞けなくなることがあり、そのアーティスト目当てで音楽サブスクを利用していた場合、完全に損失になってしまいますね。
音楽サブスク登録がもったいないと思える方におすすめできる音楽サブスク
ここまでどちらかというと「音楽サブスク利用に及び腰」となっているユーザーに対して、音楽サブスクの明暗を解説してきましたが、いまいち登録することに合点が行っていない方でも金額的・機能的におすすめできる音楽サブスクをいくつか理由とともにご紹介します。
Amazon Music Prime
Amazonが提供する音楽サービスの中で、アマゾンプライムを利用していれば実質無料で利用できる音楽サービスです。
Music Primeへの登録自体は必要なく、登録する先はAmazonのプライム会員となります。プライム会員となった場合、様々な配送特典の他にプライムビデオが利用できる、という点が大きく、月額も500円と通常の音楽サブスクとは割安になっています。
また、Amazon Music Prime自体はAmazonの本格音楽サービス「Amazon Music Unlimited」のお試し版的位置づけですので、いわゆる「強制シャッフル再生」となりますが、アルバムを指定して再生することでそのアーティストに限定して再生することができるなど、お試し版的位置づけとは思えない利用価値の高いサービスとなっています。
▽Amazon Music Primeの詳細・使い方については下記の記事をご覧くださいませ。
Apple Music
Apple Musicは直近で行われた値上げにより個人プランが1,080円/月、ファミリープランが1,680円/月と他の音楽サブスクと比較して少しだけ割高な設定になっていますが、音質が驚愕です。
中でもロスレス音源の音質とドルビーアトモスによる音響は、音楽好きでなくても一度は体感していただきたい体験です。
無料お試し期間(1ヶ月)が利用できますので、まずは面白いもの見たさでもお試ししてみることをおすすめします。
YouTube Music Premium(YouTube Premium)
イマイチ音楽サブスクのみに月1,000円近く支払うのがもったいないと思う方には、実はYouTube Premiumがおすすめです。
その理由として、YouTube Premium自体は、動画サイトYouTubeの有料プランですが、実はそのプランはYouTubeの広告を除去するだけでなく、YouTube Music Premiumを無料で利用することができます。この「YouTube Music Premiumが実質無料で利用できる」という特典はあまり知られておらず、普段からかなりの時間をYouTubeに使う方であれば、YouTube Premium登録によるYouTube Music Premiumの利用がおすすめできます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は「音楽サブスクの登録がもったいない」という方に、いま現実的にお届け出来るフラットな情報をまとめました。
「もったいないと思っていたけど意外とメリットあったので、登録する」や「やっぱりもったいないのでやめて正解だった」という方の参考になれば幸いです!