今も竹の子のように「生えて」くる『Music FM』という名前のアプリですが、その命名も少しずつ変化してきており、今回は、「Music FM」とそのまま付けてこず、カタカナを採用。。。
実は開発者がApp Storeに申請してリジェクト(却下)が返ってくる際の理由として
『同じ名前が既にあるからNG』
という理由で返ってくることがあります。
今回もその理由でビミョーに変えてくる手法で「音楽 ダウンロード FM」の後に、カタカナで「ミュージックエフエム」と付けていると推測されます。
▼そんなアプリですが、実はかなり長期間、ランキングの上位に常駐しています。
その理由は、言わずもがな、
あのMusic FMにかぶせてきているから
にほかなりません。
そのアプリが実際の所どのような内容なのか?ほんとに音楽がなることはあるのか?そこに適法性・違法性はあるのか?など
▼徹底検証してみましたッ!▼
もくじ
App Storeでの表示
まずはこちらのアプリがApp Storeでどのような表示がされているか、というのをチェックしていきたいと思います。
概要
▼こちらがアプリのトップ画面。
まず目につくのは
▼このアイコン。
どこかで見たことありますよね?
そうです。過去(2018年5月)に配信が開始され今では紫のMusic FMに交代した当時のMusic FMに非常に似ています。というかほぼそのままでは無いでしょうか?
▼こちらが、いわゆる「本物のMusic FM」と呼ばれたアプリ黄色Music FMのホーム画面上のアイコン。
▼そしてこちらが今回のアプリのアイコン。
▼並べた結果がこちら。
本物の方が音符に対する光沢が多い、ですね。。
しかも偽物の方は『Musi』で止まっています。せめてあと1文字「c」だけタイプする気力はなかったのでしょうか。
「プロ版」が存在
先程のStoreの画面でもありましたとおり、
▼定期利用・プロ版なるものが存在しています。
こちらを(インストールした状態にて)タップすると、
▼アプリのコチラの画面が表示されます。
こちらは後述する「ダウンロード制限」を月400円で解除するというオプションで、月額登録への誘導となります。
▼そしてこちらがアプリの内容説明欄。
「このアプリ、強気だなぁ~」と思った部分がこちら。
▼『元祖Music FM!!』
元祖!!
パクられる方がそもそも違法アプリであれば、
パクる方も容赦しないスタンス…!
この開発スキル/リソースをもう少し世の中のために役立てると、世界がもう少し良くなるかも、しれませんね。
レビュー
そしてレビューはこちら。
▼星5の高評価と星1の低評価に完全に分かれます。
アプリの中身を検証
さて、ここからこのアプリの中身がどのようなものなのか、検証して参りたいと思います。
アプリ起動
アプリを起動すると、まず表示されるのが、
▼コチラのダイアログ。
音楽にエフェクトをかけるようなアプリだとこの手のダイアログがよく出てくるのですが、要するに端末内の音楽データにアクセスします→OK/NGという意味。
おそらく何かしらの原因でアプリが使えなくなってしまった時に、端末内に残っている音楽データの再生をするこによって、再生機能だけ微かに残っている、というふうにしようと考えたのかもしれません。
アプリトップ
▼こちらがアプリのトップ画面。
画面上部にデカデカと国旗が並んでおり、予め日本が選択されています。
そして画面上は特段何かのランキングには見えませんが、日本の音楽シーンで見たことある名前がちらほら表示されている状態。早速香ばしくなってきました。
▼画面上部の項目を「アーティスト」に変えるとこのように、
中国語の一覧がズラリ。相変わらず広告は日本のアプリの広告が表示されていますが、コチラの画面で日本のコンテンツを見つけることは出来ませんでした。
▼その隣の「アルバム」に移動しても同様、
かと思いきや、隣に位置するアルバムジャケットは邦楽のようです。
ルーペマーク(検索)
次に隣のタブにあるルーペマークを見てみましょう。
▼こちらがその画面。
▼そして何か検索をしようとすると候補の楽曲・アーティスト名の提案が表示されます。
▼検索が完了するとこの画面に。
▼表示された画面上部のアルバムジャケットを選択するとこの画面に。
うーん、香ばしい。これはいわゆる『自己責任系』のアプリに類されるものですねぇぇ。。
リスト
そのとなりにある「リスト」では、
▼このように冒頭で同期した「音楽ライブラリ」に格納されている楽曲(端末内の楽曲)の一覧が表示されます。
こちらの楽曲の再生は元から自分で購入したもの、もしくはCDから取り込んだ楽曲になりますので、再生しても通信量はかかりませんし、著作権的な問題はありません。
ギアアイコン(設定)
そしてフッター上で最も左に位置するのがこちらの設定画面。
▼画面はデザイン的に見やすく色んな意味で「もったいない」と思う画面。
スリープタイマーや再生モードの変更、プレイリストの編集という機能が用意されています。
一度も再生できずにすぐ『プロ版』の案内が表示される
App Storeでも掲載がされていた、月額400円で利用できる『プロ版』。
実はこのアプリを検証していて驚いたのですが、
▼ほぼ何も聴いていない状態で何かしらの楽曲のリンクをタップした所、
この画面が表示され何も出来ない・聴けない状況に。
「上限に達しました」とありますが、30曲もアクセスしていない状況で何も出来ない状況に。
結果、アプリとしては
何も出来ずに有料課金を案内される
という、もはや「悪質」とも取れる構造になっているように思います。
つい最近ですと、『MyAstro』という一見占いのアプリが無料アプリを装いながらも、起動直後一月5,000円の課金を求めてくるという「誤タップ課金狙い」であることが分かっています。
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おそらくこのアプリもMusic FMというアプリ名にてとりあえずのダウンロード数を稼ぎ、間違えて有料課金をしてしまう人をターゲットとする『ダメアプリ』なのかもしれません。
…ということですので、『違法性があるのか!?ないのか!?』の前に、
使えない。
という結論です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
もはや本物を装った『偽Music FM』がダウンロード数を稼ぎに名前・アイコンを本物そっくりに作り広告収入を狙っているものであることは周知の事実になりつつありますが、
まさか有料課金の誤タップまでこの手のアプリが狙ってくるとは。。。
新しいiPhoneが月末に販売されますが、Appleさん、このあたりの監理強化をもう少し力を入れていただけると、アーティストとユーザーのより良い関係ができるのではと・・・!