InstagramやTikTokを始めとする様々なアプリが並ぶApp Storeのランキング。そんな中、徐々にトップ100に迫るアプリの姿が。
その名は『Rapid VPN』。一見すると高評価なVPNアプリですが、その素顔は不正な手口でダウンロード数を増やす悪質な詐欺アプリなのです。
本記事では、その不正な手口の詳細、購読登録された場合の解約方法、実際の検証結果をご紹介していきたいと思います。
もくじ
「アップルセキュリティ」「バッテリーが感染しています」で不安を煽る
本アプリが利用している不正なダウンロード稼ぎ、実態はこのような卑劣な内容でした:
突然現れる「ウイルス感染の警告」でパニック状態に
iPhoneやiPadなどでいつも通りブラウジングしてたとき、突如こんな警告画面が表示されます。
- 「アップルセキュリティ」
- 「(1)システム通知~」
- 「iPhoneで(3)つのウイルスが検出された」
- 「バッテリーが感染しています」
- 時間のカウントダウン表示
- 「ダウンロードとインストール」の表示
などの不穏なメッセージが目の前に飛び込むので、知識の浅い人はパニックに陥ります。
実はウイルス感染の警告自体が全くの「ウソ」
まるで「iPhoneがウィルスに感染した!」というような文言を表示します。そして淡々と進みゆくカウントダウン表示。これらを見た時に反射的に
「え!?マジ?クレカとかLINEの情報入っているしとりあえず入れなきゃ!」
ってなりますよね。
実は今回、解約方法をご紹介する「Rapid VPN」はこのような文言でユーザーの不安を煽り、ダウンロードとインストールというもっともな対策に見えるリンクからダウンロード数を稼ごうとする悪質なスパムアプリです。
且つ、「Rapid VPN」というアプリ名を付けながら、実際の利用を行うには週に1,000円以上の課金をしなくてはならず、
不安を煽り→週1,000円の課金をさせる
という詐欺の要素も多分に含んでいます。
知識が薄いユーザーを狙った悪質な詐欺行為
悪質業者はこのウソ警告で人々の不安を煽り、卑劣な手口でアプリのダウンロードを稼いでいます。
さらに誘導先のアプリに関しても、一見無料であるように見えて、実際は数日後に高額な請求をしてくる詐欺アプリです。
さらに解約作業が難しい定期購読課金を利用した悪質さ
このようなアプリには登録当初3日間の無料期間がついてますが、実際のところ、iPhoneアプリの定期購読を解除する作業の難易度が高く、無料トライアルがあると思って安心し、登録したは良いものの、解約できずにまんまと定期購読の課金を行ってしまうという、悪意に溢れたものです。
今現在この類のアプリが氾濫している状態で、今回取り上げる「Rapid VPN」以外にも沢山のアプリが存在しており、いずれのレビューも「詐欺!」という書き込みがありますが、法律的に取り締まる手段が無く、課金が発生してしまった場合、実際的にユーザーは泣き寝入りの状態になってしまいます。
『Rapid VPN』の解約(キャンセル)方法
ここでは詐欺警告によってダウンロードさせられた方、もしくは詐欺アプリと知らずにインストールしてしまった方への解約方法となります:
設定アプリからApp Storeの登録アプリ一覧を開く
[adrotate banner=”130″]サブスクリプション画面から解約を行う
すると定期購読を行っているアプリの一覧画面が表示されますので、
▼その中にあるRapidVPN Premiumというアプリをタップしてください
▼¥1,100円の欄に✔が入っていることを確認後、下にあるサブスクリプションをキャンセルするをタップ
▼確認画面が表示されますので、焦らずに確認をタップしましょう。
▼読み込みの完了後、先程までチェックがついていた箇所に何も無いことがわかります
▼さらに一覧画面に戻ると、このように「◯年◯月◯日に終了予定」に変化しています
これはその日付に定期購読が解約されるという意味合いになりますので、こちらの表示が行われていれば解約(登録キャンセル作業)は完了となります…!
お疲れ様でした!
課金されてしまった場合、返金は可能?
無料トライアル期間に解約作業ができず実際に課金が発生してしまった場合、Appleに対して返金申請を行うことができます。
▼返金申請に関する詳しい方法はこちらの記事に記載しております。
ただし、アプリの性質や状態によって必ずしも返金が可能になるわけではないとのことですので、ひとまずダメ元の申請としてでもAppleに対し送信しましょう。
『Rapid VPN』のApp Storeでの見え方
従来的な「VPNのアプリとは?」の部分を簡単にご説明すると、インターネット・ネット接続をする際に特別な領域を経過させることで
- 従来よりも安全性の高い接続
- 特定の地域に閲覧が限定されているものを見ることができる
などのメリットがあります。
今回の「Rapid VPN」が詐欺的アプリであることは確定的ですが、一体このアプリがそもそもどのようなアプリなのか、検証してみました!
複数の国々とのVPNの構成
App Store上ではこのような見え方となっています
定番の「初回画面=課金誘導」
▼起動後はもはや定番の即課金誘導が待っていました
しかも厄介なことに本アプリは全文英語で書かれている為、英語力が乏しいユーザーには何が書いてあるか分かりません。
そのまま3-Day Free Trial Then ¥1,100 / weekをタップすると、
▼購読登録の承認画面が開いてしまいます
レビューのほとんどがウソ感染警告の被害者たち
▼アプリのレビュー欄にはウソ警告によりダウンロードさせられた被害者たちの怒りの声が・・・
『Rapid VPN』のアプリ内容をチェック
極めて悪質な手口でダウンロード数を稼いでいる今回の詐欺アプリですが、その機能はどんなものなのか?
以下はRapid VPNの機能の検証結果となります:
選択可能な対象国
App Store上のアプリイメージではこうなっており、
アメリカ、ドイツ、カナダ、イギリス、シンガポール、そしてフランスの6ヶ国が選べるようです。
▼しかし実際にアプリを開いてみたところ、、
え??たったの3つ!?
なんと広告にあった6か国ではなく、その半分という思いがけない結果に・・・まさに「イメージ上では特盛サイズなのに、実際は並盛程度だった」という詐欺っぷりでした。
VPNの接続
一方のVPNはどうでしょう?実際に本アプリのVPNを構成して、海外のサイトやコンテンツにアクセスできるか検証してみました。
▼初回時はこのようなメッセージが表示されます
英語で書かれてますが、訳すと「Rapid VPNはVPN構成を追加したい」です。
▼追加後、真ん中の電源ボタンをタップするとVPNに接続されます
今回はアメリカ国内でのみ動画配信されているサイト「Oprah.com」(Oprahとは地元のカリスマ女性司会者「オプラ・ウィンフリー」のこと)を選んでみました。
VPNがオフの状態だと、
▼このように視聴できないとのメッセージが表示されます
▼次にVPNがオンの状態で再度試したところ、動画のプレイヤーが表示され、
▼動画を再生することもできました
VPN自体がなんとか機能している点に関しては良いものの、非常に悪質なウソ警告で人を騙してまでアプリをダウンロードさせている時点で、本アプリのVPNが安全であるとは断言し難いです・・・
それ以前に、週に多額のお金を注ぎ込まなくても、無料VPNアプリで事足りることがほとんどなので、ドハックとしては無料の方を断然お勧めいたします!
ドハックおすすめの無料VPNアプリ
ここでは、課金しなくても(制限付きで)VPNを無料で利用できるアプリをご紹介いたします:
1.TunnelBear
『TunnelBear』はカナダ発のVPNアプリであり、世界的にも有名なVPNプロバイダーでもあります。
本アプリには有料版と無料版があり、後者に関しては毎月500MBまで利用可能という制限があるものの、使える機能は有料版とほぼ大差がなく、サーバーも20ヶ国で利用でき、日本のサーバーにも接続できることが何よりの強みです。
TunnelBearのダウンロードはこちら!
2.HideMe VPN
『HideMe VPN』はドイツ系企業のVPNアプリで、無料プランでは月に最大で2GBまで利用することが一番の強みです。
アプリから直接登録した場合は500MBまでしか利用できませんが、ホームページを通して無料プランを申し込むことで、使える量が一気に2GBになります。なお、無料版で使えるサーバーは3ヶ所のみで、日本のサーバーは含まれてません。
HideMe VPNのダウンロードはこちら!
3.Windscribe VPN
『Windscribe VPN』はカナダをベースとしたVPNアプリで、毎月10GBまで利用できる無料プランに加え、TunnelBearに次ぐ強力な暗号化が特徴です。
サーバーに関しては、有料プランだと45ヶ国で、一方で無料プランだと8カ国のみ選択可能です。また、無料版では日本のサーバーが使えないのでご注意くださいませ(香港のサーバーを代用するのは可能)。
アプリを削除したい!でも追加されたVPN構成はどうなるの?
VPNアプリをインストールして利用する際、ほとんどの場合は初回起動時にVPN構成の追加を要求されます。
これらは手動で削除することも可能ですが、アプリ自体を削除した場合は、該当VPN構成も一緒に削除されるのでご安心ください!
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は卑劣なウソ警告で被害者の精神を弄び、まるで救世主になったかのように詐欺アプリをダウンロードさせる「Rapid VPN」をご紹介いたしました。
この悪質なウイルス感染警告は神出鬼没となっていて、どのタイミングで表示されるのか、どんなサイトを閲覧している時に現れるかが明らかになっていません。
もしこのウソ警告に出くわしたら、100%ウソなのでブラウザバックするか、アプリを閉じて無視してください!