この記事は、スマホのストレージを軽くするとうたう「Cleanup」や「Cleaner Guru」などの危険性について解説します。
SNS を利用しているとスマホの容量を軽くするという触れ込みで、「Cleanup」や「AI Cleaner」などの広告を 目にすることがあります。
簡単に容量を少なくできるという魅力的な機能ですが、 ここにかなり危険で大きな落とし穴があります。
今回はこの「Cleanup」や「Cleaner Guru」というアプリにおけるリスクとその理由、 その他の方法で端末の容量を軽くする方法を解説します。
もくじ
SNSで見かける「容量を軽くする」アプリはかなり危険
SNS を閲覧していて、
▼ このような広告動画、誰もが1回見たことがあるかと思います 。
いわゆるスマホのストレージを圧縮して容量を軽くする、空きを作る、という体のアプリです。
広告動画の内容を見てみると このアプリを入れて特定の機能を選択するとスマホの容量が圧縮されて 空き容量ができ さらに写真や動画を撮影することができる 、というものです。
実はこの手のアプリ、かなり大きな危険性があります。そのリスクや危険性の詳細を以下にて解説します。
スマホ内のデータが勝手に抜き取られている可能性が捨てきれない
写真ライブラリの「フルアクセス」が危険
まずこの手のアプリがスマホに対してどのようなことを行っているかというと、写真のライブラリにアクセスしアプリから自由に写真を操作する承認を得た後、別の場所に転送、もしくはアプリ内で分析している、などの可能性があります。
もちろん「可能性」ですので、必ずこのようなことを行っているという立証はできませんが、逆に「100%このようなことを行っていない」ということが明言できないことも事実です。
▼アプリをインストールした後 画面上に このような表示がなされます。
この表示でフルアクセスを許可をタップすると、アプリは写真ライブラリに対して、アクセス権限を得ることができます。その後は、別のサーバーに送信する、ユーザー単位でどのような写真を所持しているか分析するなどアプリ側で自由に行うことができる環境となります。
連絡先のアクセスはもっとやばい
▼この手のアプリは重複した連絡先を消去する目的と称して、 連絡先アプリへのアクセスも求めてきます。
この手の承認がかなり危険で、連絡先データがどこか別の場所に送信されてる可能性もありますし、 単純に情報として抜き取られる可能性も捨てきれません。
異常に高額なサブスク料金
またこの手のアプリに共通していることが、異常に高額なサブスク料金を請求するということです。
▼ 無料でお試しなどのボタンをタップしてみると このような画面が表示されます。
つまり この機能を使い続けることについて1週間で1000円という金額が請求される、という確認画面ですが、Amazon プライムで それは 月額 600円なのに対して、 これは月額に直すと4000円以上の金額がかかることになります。
この機能を 重宝して利用する しないの判断はユーザーに委ねることになりますが、 機能に対して価格が異常に高額な点も この手のアプリに共通していることで、世の中の一般的な価格と比較して見えも異常に高額なように思いますね。
開発会社の名前を検索してもホームページが見つからない
さらにその怪しさに拍車をかけるのが、AppStoreに表示されている会社名を Web で検索してみても一向に見当たらないという点です。
▼ 2つのアプリのうちの1社をウェブで検索してみると その会社が出してるアプリはヒットしますが、会社のホームページ らしきものは見当たりません。
う1つのアプリの会社名を検索してみるとホームページのような画面の中にアプリ一覧は表示されていますが、 プライバシーポリシー など 会社の所在や法的責任を掲載する場所が一向に 具体的な会社の場所や、その代表者、 どのような事業を行っているかなどは伺いすることができません。
開発会社もよくわからないアプリに写真や連絡先のデータを渡すのは絶対だめ
このように写真ライブラリや連絡帳など個人情報としてかなり重要なデータに対して アクセスを求めるのに対して、そのアプリを開発した事業者の情報は一向に見つけることができません。
最近は AI の発達により、取得した写真を加工したりそれを 元データとして利用されることが多々あります。 そこから生成されるデータや成果物に対して自分が無意識のうちに提供したものが利用されたりしないように、このようなアプリは使用しない方が得策でしょう。
容量を軽くしたい場合は、写真アプリの「重複項目」をチェックすればOK
このようなアプリを使わずとも スマホ内の容量を 簡単に軽くする方法があります。
▼ 以下は iPhone で その方法を行う場合ですが、 まず 写真 アプリを開いて画面をした方法にスクロールし重複項目をタップします。
▼ そうすると画面・内容が全く同じものが候補として表示されますので、画面右上の選択 をタップし、
▼XX項目を結合をタップすることで、重複した同一の内容を1つにまとめることができます。
このようにスマホの空き容量を簡単に約束することができます。 また いかに この簡単な作業を1週間 1000円という高額で提供しているかがよくわかります。
ちなみに
「完全に重複するコピーのみを結合」の選択肢は、写真に関連する位置情報・メタデータ・フォーマットなども含めて完全に同一のデータであるものを結合する、という意味。
「…を結合」については、写真の内容のみ同一、という意味になります。
「Cleanup」や「Cleaner Guru」に登録してしまった場合の解約方法
この2つのアプリに登録してしまった場合は以下の方法を参照して解約しましょう。
ひとまずは現状の定期購読の状態を確認する必要があります。
▼App Storeのアプリを起動して、 画面右上にある Apple ID のアイコンをタップします。
▼そうすると Apple ID に関するアカウントの情報が表示され、サブスクリプションと表示されている部分がありますのでこちらをタップします。
次に、登録してしまった場合は、「Cleanup」などのアプリ名が表示されますので、そちらを選択後、「キャンセル」をタップします。
こうすることで、無料期間であれば、期間終了後に自動解約、すでに登録してしまった人に対しては、次回の更新がなされない、という状態にすることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はスマホのクリーナーアプリとして リリースされている「Cleanup」と「Cleaner guru」について、その危険性とリスクを解説しました。
動画などをスマホで撮っているとすぐにストレージはいっぱいになってしまいます 。また iCloud も有料登録をしていない限りはすぐにいっぱいになってしまいますので、ついついこの手の容量削減アプリに手を出してしまいがちですが、 少なくとも アプリを 配信している会社がどこにあるか、代表者は誰なのかが明らかになっている会社からリリースされているアプリを使う方が良いでしょう。