【追記】
8月の初旬からMusic FM(黄色)が配信停止になったようです。
またAppStoreに存在する同様の音符x黄色アイコンはいわゆる「偽のMusic FM」と呼ばれているもので、通信量などが過大にかかる可能性がありますので、注意しましょう…。
記事の最後に「Music FMを使わずともオフライン利用できる無料音楽アプリ」のご紹介がありますので、そちらもどうぞ!
常にAppStoreの順位を見守っている関係者からは「常に強硬手段に出たか?」と聞こえてきそうですが、
なんとあの初代「自己責任系アプリ:Music FM」が土日のみの配信のみならず、学生の夏休み突入に合わせて平日も配信をするようになりました。
そのため、AppStoreの無料ランキング(非ゲーム)ではこの通り、
▼見慣れた音符マークの「あのアプリ」が上位に鎮座する形に…。
過去に何度も配信されてはStoreからいなくなり、たまに現れては消えを繰り返していたアプリがなぜ「大人圧力」に屈せず残っているのか、
そして、このダウンロード違法化が確立された今、このアプリを違法と知りつつ利用し続けるリスクはあるのか?など現況をまとめてみたいと思います。
[adrotate banner=”21″]もくじ
先に結論:利用する上でのリスクは?
AppStoreでも定常的に配信されているものだから、法的にもクリアになったのでは…!?と、ひいきに考えてしまう方もいるかもしれませんが、このアプリを見る限りCDショップやiTunesで有料で販売されている楽曲が簡単に見つかりますよね。
法的なリスクは…
率直に言うと「ある使い方をするとアウト」です。
ではその「ある使い方」とは、
『違法だと知りながら楽曲をダウンロードすること』
です。
Music FMの画面内いたるところに楽曲のダウンロードリンクがありますが、それらを押してダウンロードを行った時点で違法性が確定します。
ただし、ストリーミング再生は違法アップロードだと分かっていてもユーザー側は違法とはならないそう。
ちなみに,文化庁では,違法にアップロードされた動画を,違法にアップロードされたものと知りつつストリーミング再生したとしても違法ではないと考えられています。
文化庁は,キャッシュデータをハードディスク内で一時的に保存する行為は,そもそも複製にはあたらないと考えているものと思います。
上記では動画を例にとっていますが、音楽もほぼ同じと言えるでしょう。
ですので、違法アップロードされた音楽と知りつつをストリーミング再生で聴取することは違法とはならず、また実際に違法化されたとしても検挙することが難しいだろうとのこと。
(この時、違法となるのは無許可で配信をしているアプリ(開発者)側ですけどね)
もし逮捕された場合の刑罰は?
刑の重さとしては
『2年以下の懲役若しくは 200万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する』
とあります。
(参照:Wiki ダウンロード違法化)
どのような場合に逮捕・検挙されるのか?
そもそも著作権法でユーザーが取り締まりを受ける場合は、
権利保持者が裁判所を介してサービス提供者(この場合Music FM開発側)にユーザー情報の開示要求を行い、そこで提供者側がユーザーリスト的なものを権利者に提出した場合に初めて足がつく可能性が出ます。
ただし、現状では
- 開発者が間違いなく国外(中国?)であること
- 裁判所を通じてサービス提供者側に申し立てしたとしても一体どの国の法律に基づいてユーザー情報を提示するのか?という問題
という2点にて、ユーザー情報を開示するのはかなり難易度の高い交渉かと推測します。うへぇぇ。
リスクのまとめ
権利者の手続きとして、
「Music FM利用者を逮捕する」
という流れはまだかなり難易度が高い。
ただし、Twitterでのシェア報告や、下記に解説するMusic FMの「新利用規約」によると、権利者が利用者を突き止める手段は日に日に容易になっていく、そんな気がしています。
いいかげん、違法アプリを卒業したい…
アプリ利用の危険度もさることながら、そもそもモラルとしてちゃんとした製品を経由して音楽を楽しみたいと思っている方も多いはず。
そして、ちゃんと探せば違法アプリに引けを取らない合法のアプリがあることも事実です。
自己責任でデジタル万引きをして逮捕されるのも自己責任ですが、そのリスクの前に
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[adrotate group=”7″]Music FMが常時配信し始めたきっかけ(と思われるもの)
いつの間に規約(権利帰属)が日本語に変わっていた
実は、このアプリ、前々から設定ページに「権利帰属」というページがありましたが、おそらく外部からコピペしてきたであろう英文の規約テンプレが表示されていました。
それが現状、日本語の内容に変わっていました。
▼こちらがその規約前文。画像にて掲載。ちょっと長いです。
英語の直訳のような文章
契約書などの法務書類をよく確認する方ならおわかりの通り、いわゆる翻訳サイトで翻訳したものをそのまま持ってきた後、いくつか改変を施した内容と推測できるでしょう。
また、ところどころ文として意味の通らないところがあるため、より直訳感が出る結果に。
伝家の宝刀「プロバイダ責任制限法」を行使の意図か?
たどたどしくも続く規約文章を見てみると、違法での音楽配信の正当性を「プロバイダ責任制限法」で主張しているように思います。
プロバイダ制限責任法とは、極端に書くと、「元はユーザーのアップロードで問い合わせからの削除対応をすれば、基本的に何を配信しても問題なし」というもの。
規約的には
- コンテンツはユーザーがアップしたものでサービス提供者は感知しない
- 侵害しているものがあれば必要書類とともに連絡くれ
とあるので、当該法を意識した書き方だと推測します。
連絡先がGmailアドレスというなめられっぷり
とはいえ、その連絡先がなんとGmailアドレスという…。
電話番号1件や他のアドレスがあれば簡単に作成出来てしまうアドレスが著作権申し立ての連絡先とは…。
プッシュ通知の内容が侵害事実を免れない内容に…
先の「新利用規約」から「プロバイダ責任制限法」を則るために
このアプリはユーザーが自由にアップ・共有できるプラットフォームだ!
と宣言しているわけですが、
▼当該アプリから毎日このようなPush通知が届きます。
これは明らかにサービス提供者側に「編集者」がいて、どのような楽曲かを把握しながら配信していますよね …。この状況でMusic FM=ユーザー・プラットフォームと謳うのはなかなか際どくないですか。。。
まとめ
いかがでしょうか?
AppStoreのランキングに表示されるアプリの裏側でいろんなことが日々動いているわけですが、
聞くところによると、このMusic FM側もなんと弁護士を立てて、適宜正当性を主張しているとのこと…。
そりゃ、あれだけダウンロードされていれば弁護士を雇う費用もまかなえますよね…。
個人的には、漫画村騒動のときは国が動いてアクセス遮断という超強硬手段にて対応したにもかかわらず、音楽のこの件については、メディアなどでほとんど話題にもなっていない、広告も全画面で出続けていますし、「マンガコンテンツ」と「音楽」との重要度の違いでもあるのだろうか…?という感じです。