本記事は、「Amazon Music」と「YouTube Music」の2つの音楽サービスを徹底比較します。
ともにIT大手から提供されている音楽サブスクサービスですが、現時点におけるそれぞれのサービスの利用状況により年間数千円も得したり損したりします。
今回は、どちらかのサービスへの加入を悩んでいる場合、どのような基準・状況で判断すべきか、その他、サービス内容でどのような違いがあるかを解説します!
注意点
「Amazon Music」では、無料版の「Free」、プライム会員は無料の「Prime」、全曲聴き放題の「Unlimited」の3種類があります。今回は有料サブスク同士の比較ということで記事内で言及しているAmazon Musicはすべて「Unlimited」を指しています。
もくじ
【最初に結論】Amazon MusicとYouTube Musicどちらが良い?
この記事を御覧頂いている時点で「Amazon Music」と「YouTube Music」のどちらを利用すべきかを悩んでいることかと思いますので、メリット/デメリットが分かりやすいポイントから先に結論である「どちらがいい?」について解説します。
基本的にAmazon Musicの方がコスパ・機能的に優れている
結論的に、Amazon Music Unlimitedの方が料金・コスパ・機能的に優れています。
その理由としては、
- 定期的に初回3ヶ月無料が開催されている
- Prime会員は月額880円と最安値
- 通常料金内で超高音質サービス「HD音源」が利用できる
という点が挙げられます。
料金としては、AmazonのPrime会員でなければ同額の980円/月ですが、やはり「HD音源」が利用できる点が大きいです。また更に上の音質である「UltraHD音源」も通常料金内で利用することができ、その音質は通常の10倍以上のデータ量となります。
その決定的な音質の違いと「それ以外のポイントはいずれも同じ」ことを考慮するとAmazon Musicに自ずと決まってしまうところでしょう。
YouTube Premium利用者はYouTube Music一択
ただし、唯一もしあなたが「YouTube Premium」の利用者だった場合、Amazon Musicは利用すべきではありません。
その理由としては、YouTube Musicが無料で利用できるためです。
YouTube PremiumはYoutubeの動画が広告なしで見ることが出来るサービスですが、実はYouTube Musicを無料で利用することができます。言い方を変えればYouTube MusicはYouTube Premiumの一部とも言えます。
配信アーティストはほぼ一緒
Amazon/Youtubeにかぎらずすべての音楽サブスクで配信されている楽曲、アーティストに実はそれほど差異はありません。
配信をコントロールする音楽レーベルも一度サブスク解禁を行うときはほぼすべてのサービスに一斉に配信することがほとんどで一部のサブスクのみに許諾しているアーティストは中島みゆきくらいだったでしょうか。
2022年11月28についに中島みゆきの楽曲もすべてのサブスクで解禁となりました。
アプリのデザイン・操作性はどちらも優れている(使えば慣れる)
Amazon Music/YouTube Musicのいずれも、プレイリスト機能・ダウンロード・オフライン機能・レコメンド機能が実装されており、その精度はやや異なるもののデザインや操作性については、こちらもほぼ同程度と言えます。
これらの要素から音質やコスパとして最終的にはAmazon Musicに優勢になります。
Amazon MusicとYouTube Musicの料金プラン比較
では、次に最も重要な「料金」について解説します。
▼一覧比較した内容がこちら。
プラン名 | YouTube Music | YouTube Music(AppStore) | Amazon Music Unlimited |
個人プラン | 980円 | 1,280円 | 980円(Prime会員:880円) |
学割 | 480円 | - | 480円 |
家族割 | 1,480円/6人 | 1,950円 | 1,480円/6人 |
年間払い | - | - | 個人&プライム会員:8,800円 ファミリープラン:14,800円 |
個人・学生・家族ともに動画だがプライム会員への優遇あり
基本料金としては同じ料金ですが、Amazon Musicではプライム会員は100円の割引が適用されます。また、年間払いについては、Amazon Musicが提供していますが、プライム会員向けのみとなっています。
YouTube Musicは「登録を行う場所」に注意
YouTube Musicの欄を見ていただくと、YouTube Music(App Store)という項目があります。
これは、iPhoneの場合、アプリ内から登録を行うと、AppleのApp Storeを経由した登録になるため、Appleの手数料分(30%)だけ月額料金が上乗せされます。そうなると、月に300円も金額が上がるため、YouTube Musicに月額登録する際は、必ずWebから課金登録を行うようにしましょう。
▼詳しくは、こちらの記事の「YouTube Musicの支払方法」をご覧くださいませ!
Webからの登録を行う分には、一般的な音楽サブスク料金とほぼ同様です。
既にプライム会員の場合、年間1,200円お得
このように、Amazon Musicの月額100円分の差異により、年に換算すると1,200円分のメリットが創出されます。
Amazon MusicとYouTube Musicの「音質」を比較
続いて、サービスの質である「音質」を比較してみます。
▼それぞれの音質違いはこちらの一覧を御覧ください。各数値の「kbps」は単純に数値が高いほど高音質であることを表します。
音質名 | Amazon Music | YouTube Music |
---|---|---|
UltraHD | 約3730kbps | なし |
HD | 約850kbps | なし |
最高 | 320kbps | 256kbps |
高 | - | - |
中 | 190kbps | 128kbps |
低 | 90kbps | 48kbps |
このリストを見てお分かりいただける通り、Amazon MusicのHD音源によって明確な差があることが分かります。
この「UltraHD」「HD」の音源を利用するのに追加料金などは必要なく、通常の料金内で利用することが出来ます。
ただし、最新曲の殆どはこのHD音源を利用することができますが、過去の古い曲などはまだ未対応の状況などがあるようです。
▽Amazon Musicの「HD」音源の利用方法・対応範囲については、以下の記事をご覧ください。
Amazon MusicとYouTube Musicの「対応端末」を比較
▼それぞれのサービスで再生環境にできる端末一覧がこちら。
Amazon Music | YouTube Music |
---|---|
スマートフォン PC Alexa搭載端末 Fire TV・Fireタブレット | スマートフォン PC Android TV Chromecast Google Home |
Amazon Music・YouTube Musicともに自社製品での再生環境
上記の表の通り、アマゾンもYouTube Musicの大元のGoogleも多数のデバイスを販売しており、アマゾンはAlexaなどの既存製品で利用が可能・YouTube MusicはAndroid TVやChromecastなどで利用可能です。
国内メーカーのテレビに「Android TV」が搭載、YouTubeをテレビで視聴できる
国内メーカーのテレビで軒並み「Android TV」内蔵が増えてきました。
これは、テレビにAndroid のOSが搭載され、スマートフォンの機能がテレビで実現できる、というもので、テレビでYouTubeを見たり、Netflixを見たり、ということがとても簡単になります。
そして、このAndroid TVが国内メーカーテレビに実装されたことにより、YouTube MusicでのMV視聴も自宅のテレビでできることから、Apple Musicと比較すると、「テレビのある居間」はYouTube Musicの利用機会が増えていくことが予想されます。
Amazon MusicとYouTube Musicの配信中のアーティストを比較
Amazon MusicとYouTube Musicを比較する時に、最も特異な点が「配信アーティスト」です。
Amazon Music含む通常の音楽サブスクサービスは、サブスクNGアーティストが解禁を行う際、一斉に配信スタートしますが、YouTube Musicの場合、サブスクNGアーティストでも、YouTubeにMVやPVがあれば、それをダウンロード保存・オフライン再生することができます。
▼未だサブスク解禁していない「B’z」の楽曲もこのようにYouTube Musicに有料登録している状態であれば、ダウンロード・オフライン再生まで行うことができます。
ただし、基本的に配信アーティストは同じ
MVがダウンロードできる、という違いはあるものの、検索に表示される・ヒットするアーティストの楽曲・アルバムはどの音楽サブスクサービスでも同様になっています。
一斉解禁は音楽業界のルールか?
このようにサブスクNGだったアーティストが解禁を行う際、基本的には全てのサービスに一斉に提供されます。これは、どこか特定の配信業者を引き立てるのではなく、リリースするのであれば一斉に、という業界の慣習になっているように思います。
Amazon MusicとYouTube Musicのダウンロードとオフラインを比較
通信量が気になるユーザーにとっては重要な問題「ダウンロードとオフライン再生」。
▼それぞれを比較いたしました。
Amazon Music | YouTube Music | |
---|---|---|
ダウンロード保存 | 可能 | 可能 |
オフライン再生 | 可能 | 可能 |
それぞれ有料登録を行うことによって、ダウンロード・オフライン再生がいずれも可能になります。
YouTube Musicは「動画で保存」して「再生は音声のみ」も可能
YouTube Musicの強みはやはり、「動画(MV)」が豊富なことです。Apple Musicの場合、曲とMVは明確に分けられていますが、YouTube Musicの場合、新しい曲であれば大半がMVで存在しますので、「動画で保存して音声を楽しむ」ということができます。
Amazon MusicとYouTube Musicの比較まとめ
「どちらを利用するか?」という迷いへのポイントとしては、
- アマゾンプライム会員か
- YouTube Premiumの会員か
の分かれ道が存在します。
アマゾンプライム会員の場合、「Amazon Music Unlimited」の月額が通常よりも100円安い880円となり、音楽サブスクサービスの中で最安値で利用することができます。
YouTubeのヘビーユーザーの場合「YouTube Premium」を利用する、という選択肢が出てきます。YouTube PremiumはYouTube Musicの「上位版」であり、YouTube Musicも使い放題になることに加えて、YouTubeを広告無し・動画ダウンロードも可能、という最強コース。
YouTubeを常日頃かなりヘビーに利用する場合は、YouTube Premiumを検討に入れても良いかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、YouTube MusicとAmazon Musicをそれぞれ比較し、どのように利用すべきか、有料利用するにはどちらがいいか?を解説いたしました。
有料プラン検討時は、アマゾンプライム会員かどうかが大きな分かれ目になります。プライム会員でありながら、有料の音楽サービスを探している際は、Amazon Music Unlimitedがもっとも最適な解になりそうです。