Twitterから新しい発表があり、2020年1月1日より利用規約とプライバシーポリシーが更新され、新しいルールが設定されていくという発表がありました。
唐突なルール適用が度々発生するTwitterにおいて、どの部分がどのように変わったか、概要/細部に分けて検証いたしました!
2020年1月1日からTwitterの新しい利用規約が適用になる
新年が開けてからTwitterにて新しい利用規約とプライバシーポリシーが適用となります。
新旧合わせて表記されていますが、唐突な凍結などが度々行われるTwitterにおいて、どの部分がどのように変わったのかはとても興味がありますが、利用規約・プライバシーポリシーともに膨大な文章のため、かつ変更点がピックアップされていないため、その差異を把握することは困難かと思われます。
そこで以下に今回変更された箇所の要点とさらに後述する形で実際に追加・削除されたところを合わせてご紹介いたします!
新しい利用規約・プライバシーポリシーの変更点のサマリー
非常にざっくりと大枠で要点をご紹介すると、
- 利用規約
- ユーザーが投稿したコンテンツの使い道を拡張
- ユーザー退会後の著作権の取り扱い(退会後もTwitterが権利を保有)
- プライバシーポリシー
- ユーザーの行動を広告に活用すること
となります。
それでは細部の変更点につきましては、以下の差分を御覧くださいませ!
どんな所が変わったのか?利用規約の変更点の要約
変更点1:「ユーザーの権利およびコンテンツに対する権利の許諾」に追記
追記内容
この項目には主にユーザーが行ったツイート、投稿、動画・画像が「一体誰の所有権なのか?」を定義しています。簡単に言うと、著作権等はツイート後はTwitterは何でもできるよ!ということを言っています。
追記された内容は以下の通り。
- 「明確化のために、これらの権利は、たとえば、キュレーション、変形、翻訳を含むものとします。」
- 「リツイート」
- 「(ユーザーは、ユーザーによる本サービスの利用がコンテンツ及びコンテンツに関する権利の許諾に対する十分な対価であることに同意するものとします。)」
この追記の解釈
- は、投稿内容をキュレーションにまとめたり、変形・翻訳を行うことを示唆しています。今後Twitter自身がまとめサイトなどをやるのでしょうか?また翻訳サービスは登場しそうな気がします。
- は、投稿コンテンツが特定の目的のために「リツイートされることもあるよ」と記載しています。あえて「リツイート」を文言として入れた理由は、現時点リツイート自体もプロモーションに該当するため、と推測できます。
- は、Twitterに権利を提供することは、Twitterを利用できることの対価、と記載しています。「権利を全部もらうけど、その代わりとしてTwitterを使わせてあげるね★」という内容ですね。この文章だけ見るとすごい強権的ですね。
変更点2:「本サービスの利用」に追記
この項目は、簡単に言うと
- 場合によってはユーザーの制限をする
- 広告出るけど文句言うな
- 不正利用しないように
などが記載されています。
追記内容
追記された内容は以下の通り。
- 本サービス上のコンテンツの配信または表示の制限
- ユーザーがセキュリティ研究者の場合には、Twitterの脆弱性報告プログラムに従わなければなりません。Twitterの脆弱性報告プログラムに参加するユーザーには上記パラグラフに規定される要求事項は適用されません。
この追記の解釈
- は、Twitter側がどのコンテンツを誰に出すかを自由に決定できる、というもの。
- は、もしユーザーが「セキュリティに詳しい人」であれば、脆弱性報告プログラムに従う必要があるというもの。これ、セキュリティ関連の開発者の場合、要注意ですね。(レアケースかと思いますが・・)もしセキュリティ研究者の場合、強制的に脆弱性報告のボランティアに参加される格好になります。ですので、Twitter上では、セキュリティ関連の仕事をしている、と言わないほうが良さそう。
変更点3:「本規約の終了」への追記
この項目には、ユーザーが退会・アカウント削除した際の規定が記載されています。Twitterが自由に凍結を行えるのもこちらに記載があります。
追記内容
- 疑義を避けるために、本規約は、ユーザーアカウントの一時停止または削除後も有効に存続するものとします。
この追記の解釈
- この項目に「第2、3、5および6条の規定は引き続き適用されます。」という記載があります。要するに「ユーザーが退会した後も、TwitterにアップされたコンテンツはTwitterのものね」という意味合いになります。
どんな所が変わったのか?プライバシーポリシーの変更点の要約
さて、次はプライバシーポリシーの変更です。
昨今、個人情報の取扱は日に日にセンシティブになってきていますが、今回の変更がどのように変わったのかご紹介してまいりたいと思います。
変更点1:「公開情報」への追記
この項目は、ユーザーがプロフィールなどで記入した情報やその項目の内容を規定しています。
追記内容
- ユーザーが、いいねやリツイート、リプライ、又はその他の公開されている行動によりTwitter上の広告に反応すると、広告主は、その広告が対象とするオーディエンスの特徴等の、ユーザーが反応した広告に関するユーザーの情報を取得することがあります。
- ユーザーは、ツイートをする際にコンテンツを公開して投稿することによって、Twitterに対して、アプリ ケーションプログラミングインタフェース(API)を経由する場合も含めて、それらの情報を可能な限り広い範囲に公開するように指示を出していることになります。また、APIを経由してそれらの情報にアクセスする者に対しても同様の指示を出していることになります。
この追記の解釈
- は、「ユーザーの行動に基づいた広告の表示をするよ」というもの。そのためにユーザーが反応した広告もTwitter側で覚えておくよ、という意味合い。
- は、初耳ですが、ツイートした時点でそのユーザーはTwitterに対し「Twitter!できるだけ拡散しろよな!」と言っているというもの。裏を返せば「やましいことは投稿しないように」とも取れます。
変更点2:「連絡先情報とアドレス帳」への追記
この項目には、ユーザーが認証・ログインのために使用するメールアドレス・電話番号などをどのような意図/目的で使用するか、を規定しています。
追記内容
- さらには広告を含むTwitterのサービスをパーソナライズするためにも連絡先情報を使用します。
この追記の解釈
- は、連絡先の情報を広告などに利用する、と記載しています。おそらく可能性としては、今後メールアドレスや電話番号と個人情報を結びつけて広告に活かすことも示唆しています。今まではクッキーなどを使用してパーソナライズなどを行っていたはずですが、今後はSMSや電話番号などもターゲティングのキーになっていく可能性があるとのこと。
変更点3:「ログデータ」への追記
この項目は、Twitterにアクセスした際、ユーザーからIPアドレスなどを取得することを記載しています。
追記内容
- (実際に検索のために用いられていない検索語も含みます。)
- Twitter自身の販売戦略の効率性を向上させるためにもこのデータを使用します。
この追記の解釈
- は、もともとTwitterに着地する際に検索エンジンを使用した場合は、どの単語で検索を行ったか、Twitterは感知することが出来ますが、検索後に対するGoogleなどが保有しているサジェストワードなども合わせて保存するということである可能性があります。
- は、Twitterに出稿しているクライアント向けに作成する資料にもデータとして使用する旨を示唆しています。
変更点4:「広告主とその他の広告パートナー」への追記
この項目には、Twitterと広告主が共有する情報の内容などについて規定しています。
追記内容
- 広告パートナーおよびその関連会社によって共有された情報または広告パートナーおよびその関連会社のウェブサイトやアプリからTwitterが収集した情報は、ユーザーがTwitterと共有した情報や本プライバシーポリシーの他の箇所に記載のTwitterがユーザーに関して受領した情報等のその他の情報と組み合わされることがあります。
この追記の解釈
- は、関連会社やTwitterのパートナー企業が持っている情報と、Twitterが取得した情報をかけ合わせて利用するケースがある、とのこと。
変更点5:「サービスプロバイダー」への追記
この項目には、TwitterがGoogle Analyticsなどの第三者企業のツールの利用に関して規定しています。
- (サービスプロバイダーは、その他の個人情報に該当しないデータを、自らのために利用することがあります。)
- は、第三者企業がTwitterからデータ提供を受けた際に「それが個人情報ではない」と判断した場合に自社のために利用するケースがある、というもの。「個人情報ではない」をどのように決めるのかが記載されていないですね。
変更点6:「法律、損害、及び公益」への追記
この項目には、法律遵守または然るべき機関から対応を要請された場合、情報開示を行うなどの規定が記載されています。
追記内容
- またはその他の安全性に関するデータ
追記内容の解釈
- は、Twitterが情報開示を行うケースにおいて、「その他の安全性に関する」という言い回しで記載にない場合でも対応できるようにするための一文になります。
変更点7:「非個人情報」への追記
この項目には、Twitter上のユーザー全体のアクション数や統計数などについて規定しています。
追記内容
- 人口統計
- 推測される興味関心
追記内容の解釈
こちらは人口統計・推測される興味関心は個人情報に含まれない、ということを規定しています。
変更点8:「自身の個人情報へのアクセスまたはその修正」への追記
この項目には、Twitterユーザーの自身が管理する個人情報に関する規定がされています。
追記内容
- ユーザー情報へのアクセス、訂正や削除に関する要求をする場合には、本プライバシーポリシーのお問い合せに記載の方法でご連絡いただくこともできます(その他の情報またはサポート)。
追記内容の解釈
- は、もし、ユーザー情報が何らかの理由で変更できなくなった場合、現時点で提供されている方法によって訂正や削除の依頼をすることができる、というもの。
変更点9:「削除」の部分的な削除
この項目には、ユーザーがアカウントを削除した際、その後に関する規定が記載されています。
削除内容
この項目は追記ではなく、削除が行われていました。削除された内容は以下の通り。
- 削除することができます。
削除内容の解釈
今まではユーザーの手によって「停止後、削除」が出来ていた書き方ですが、今回は「削除することができます」が削除されているため、ユーザーによる退会やアカウント削除が実質的な「削除」ではないことを意味しています。
変更点9:「反対、制限または同意の撤回」の追記
この項目には、ユーザー自身の管理項目について規定しています。
追記内容
- プライバシー設定がTwitterのシステム全体に完全に反映されるまでには多少の時間がかかる場合があります。
追記内容の解釈
設定の反映まで時間の猶予を得るための記載となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
やはり今のトレンドとしてはパーソナライズとそれを阻止する個人情報の保護、という対立構図がありますが、Twitterとしてはできるだけ収益性を上げたいがために、データの利用方法を拡張してきた、という印象があります。
特段、凍結や投稿ルール変更については言及がありませんでしたが、データの監視状況は引き続きシビアになっていくことが予想されていますので、引続きルールを守ってTwitterは正しく利用しましょう!